「不用品を処分したいけど、どこにお願いしたらいいのかわからない」
そんな時に自宅のポストに不用品回収のチラシが投函されていたら、ついつい電話をかけてしまいますね。
しかし、不用品回収を安易に業者に依頼してはいけません。
年末や引っ越しシーズンになると、全国各地で不用品回収業者とのトラブルが多発します。
「無料」や「格安」といった言葉につられ、チラシに書かれた番号に電話すると思わぬ被害に遭う可能性もあるので注意が必要です。
本記事では、ここ数年で急増している不用品回収業者によるトラブルの事例を紹介し、トラブル回避の具体策を紹介します。
不用品回収業者とのトラブルが多発
不用品回収業者とのトラブルが多発しています。
全国の国民生活センターに届く不用品回収業者によるトラブルの相談は、年間1,000件を超えています。
相談件数は増加傾向にあり、2021年度にはついに2,000件に達しました。
(参考:独立行政法人国民生活センター)
いずれのトラブルも同様の手口が使われ、多くの消費者が不当に高い回収費用を払わされています。
不用品の回収を依頼するときは、悪質な不用品業者の特徴を理解しトラブル回避策を講じることが必要です。
不用品回収業者のトラブル事例の紹介
不用品回収業者との間に実際に起きたトラブル事例をいくつか紹介します。
作業後に高額な追加費用を請求された
インターネットをきっかけに不用品回収を依頼したら、作業終了後に高額な追加費用を請求された事例です。
依頼時には格安で回収すると言っていたのに、作業が終了すると「積込料」や「運搬費」の名目で多額の追加費用を請求されました。
事前の話と違うと伝えても「金額についてはちゃんと説明した。費用を払わないなら不用品を全部置いていく」と言われ泣く泣く追加料金を支払いました。
インターネットやチラシなどで「無料」「格安」と宣伝している業者の中には、回収作業後に法外な追加費用を請求してくる悪質な業者も紛れています。
単に安いからという理由で業者を選んでしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうので注意が必要です。
予定のない品物まで強引に回収された
不用品の回収を依頼したら、捨てる予定でなかった品物まで強引に回収された事例です。
家電やブランド品など、中古として再利用できる品物は不用品の回収とあわせて買取に応じてくれる業者もいます。
不用品の回収を依頼したら、捨てる予定でなかったアクセサリーやブランドバックを相場よりも割安な値段で強引に回収されてしまいました。
「このバックは既に価値がない」「持っているだけで損をする」といった嘘の情報を流し、高価な品物を不当に安い価格で買い取ってしまいます。
不用品を回収しただけなのに、大切な品物まで持っていかれてしまう悲しいトラブルの一つです。
回収された品物を不法投棄された
不用品回収業者は不用品の一部を中古品として転売したり、リサイクルすることで利益を得ています。
再利用することができない不用品は、処分にお金がかかるため少しでも利益を残そうと山地や河川に不法投棄する悪質な業者も存在します。
不法投棄は環境を破壊するのはもちろん、品物によっては個人情報の流出につながる恐れもあります。
不法投棄は投棄した業者が処罰の対象になりますが、自転車など個人を特定されるような品物の場合、元の持ち主に不法投棄の疑いをかけられる場合もあります。
回収された不用品が適正に処理されないと、費用面以外の思わぬトラブルに発展してしまう恐れがあります。
必要のない品物にリサイクル料金を請求された
リサイクル料金が必要のない家電の処分に、リサイクル料金を請求された事例です。
家電リサイクル法では、エアコン・テレビ・冷蔵庫(冷凍庫)・洗濯機(乾燥機)の家電4品目でリサイクル料が必要と定められています。
悪質な不用品回収業者は、ビデオデッキやオーディオ機器などリサイクル料金が必要のない家電の回収時にもリサイクル料金を請求してきます。
業者が言うのだから間違っていないだろうと、知らず知らずのうちに本来は必要のない費用を不当に払わされてしまいます。
事前の説明とは違う車両で追加費用を請求された
事前の説明とは違う車両で不用品の回収が行われ、追加費用を請求された事例です。
インターネットを見て「軽トラック」の積み放題パックを依頼しました。
作業当日、自宅に来たのは軽トラックではなく、それより大きい「2tトラック」でした。
すでに他の依頼者の不用品も積み込まれていて、残りのスペースに不用品が積み込まれました。
作業終了後、軽トラックの積み放題パックの費用を支払おうとしたところ、「2tトラックで回収したので追加の料金が発生する」と言われました。
依頼したのは軽トラックパックだと反論しても「聞いてない」の一点張り。
らちがあかずに仕方なく料金を支払ってしまいました。
悪質な不用品回収業者の特徴
トラブルを引き起こす悪質な不用品回収業者には、共通するいくつかの特徴があります。
特徴を理解すれば、悪質業者を見破ることも可能です。
悪質な不用品回収業者の特徴を紹介していきます。
やたらと無料を強調してくる
トラブルを起こす不用品回収業者は、インターネットやチラシでやたらと無料を強調してきます。
無料の言葉につられ回収の依頼をすると「積込代」や「運搬費」の名目で多額の追加請求をするのが悪質業者の常套手段です。
納得いかないと反論しても、すでにトラックへの積み込みが完了しているため「不用品を置いて帰る」「積み込み作業が発生してるのでキャンセル料をいただく」などと後に引けない状態を作られてしまいます。
「不用品を無料で回収する」というのは、悪質な不用品回収業者の手口です。
無料の言葉に、ひっかからないように注意しましょう。
突然自宅に訪問してくる
悪質な不用品回収業者は、事前のアポイントもなしで突然自宅に訪問してきます。
優良な業者は、アポなしで突然訪ねてくることはほぼありません。
突然家に来て「不用品を回収します」「ブランド品や家電を買い取ります」などと営業を始めます。
押しに弱い高齢者や主婦が1人で在宅している時間を狙い、しつこい営業でむりやり依頼をさせてしまいます。
普段から突然訪問してくる業者には仕事を依頼しないと決めておいて、悪質業者につかまらないようにしておきましょう。
会社情報がない
悪質な不用品回収業者は、会社名や住所・連絡先などの情報を隠している場合がほとんどです。
悪質な業者は事務所を構え、腰を据えてしっかりと事業を展開しているわけではなく、トラック一台で騙されやすい消費者を物色しています。
ホームページやチラシにも、携帯電話以外の情報は一切載っていません。
クーリングオフの通知を出したくても連絡が取れなくなり、住所も分からないため泣き寝入りするしかなくなってしまいます。
会社名や住所など会社情報がない業者は、悪質業者の可能性があるので注意しましょう。
見積もりを提出しない
見積もりを提出せず口頭のみで金額を提示してくる業者は、悪質な不用品回収業者の可能性が高いです。
不用品回収サービスとはいえ、業務を請け負う場合、見積書や契約書など書面による契約内容の通知が必要です。
依頼しても見積もりの提出をしない業者は、作業後に何かと理由をつけて追加費用を請求してくる可能性が高いです。
「追加費用についてはしっかり説明した」と高圧的に迫られたら、多くの人は費用を支払ってしまいます。
見積もりを提出しない業者には注意しましょう。
不用品回収業者とのトラブルを回避する方法
不用品回収業者とのトラブルは、事前に対策をほどこすことで回避が可能です。
不用品回収業者とのトラブルを回避する方法を紹介します。
許可業者の中から選ぶ
不用品の回収は、各自治体が定める一般廃棄物収集運搬業の許可を受けなければ業務を行えません。
トラブルを起こす悪質な不用品回収業者は、必要な許可を得ずに無許可で営業していることがほとんど。
不用品の回収を依頼する際は、予定している業者が一般廃棄物収集運搬業の許可を得ているか必ず確認しましょう。
優良な不用品回収業者のホームページやチラシには、自治体から発行されている許可番号がしっかりと記載されています。
また、各自治体のホームページには許可業者の一覧表も公開されています。
業者を探している方は、自治体が公開している一覧表から選択すればトラブルを回避できるでしょう。
事前に見積もりをもらう
不用品の回収を依頼するときは、事前に見積もりをもらいましょう。
悪質な不用品回収業者は見積もりの提出を嫌がるため、見積もりを依頼するだけでも事前に悪質業者をふるいにかけることができます。
提出された見積内容にもしっかりと目を通し、費用は明確に定められているか、追加料金やオプション対応については記載があるのかなども確認しましょう。
エレベーターを使えなかった場合や、予定よりも不用品が多くなった場合なども、事前に追加料金を把握できていれば思わぬトラブルを避けられます。
悪い口コミの多い業者は避ける
不用品回収業者の口コミを確認できれば、トラブルの多い業者を選択肢から排除することが可能です。
事務所を構えている業者は、GoogleMapを利用すれば実際の利用者の口コミが確認できます。
また口コミの多い業者は、歴史も古く作業実績が豊富だと判断できます。
「電話対応が冷たい」とか「作業員の態度が気に食わなかった」といったものは多少はあると思いますが、料金に関する悪い口コミがなければ問題ないと思っていいでしょう。
許可業者の中から候補を選んだら、GoogleMapを利用して口コミを確認しましょう。
悪い口コミの多い業者を避ければ、トラブルに発展することは少なくなります。
不用品回収業者のトラブルに遭った時の対処法
万が一、不用品回収業者のトラブルに遭い多額の追加料金を請求されたときは「手持ちの現金がない」と言って、支払いを先延ばしにしましょう。
知り合いや家族にお金を持ってこさせると言って助けを求め、同時に警察にも連絡を取ってもらいましょう。
不用品回収業者による詐欺行為は地域の警察署の中でも周知されています。
事情を説明すればすぐに現場に駆けつけてくれるでしょう。
また、家族や知人がトラブルに巻き込まれ不当な費用を支払ってしまった時は、すぐに国民生活センターに相談し、クーリングオフ制度の手続き方法を教えてもらいましょう。
まとめ
不用品回収業者によるトラブル事例とトラブルの回避方法を紹介してきました。
不用品の回収に関するトラブルは増加傾向にあります。
悪質な不用品回収業者の特徴を理解し、事前の回避策を講じてトラブルに巻き込まれないように注意しましょう。